壁仕事

江戸後期に建てられた武家住宅では、既存の壁仕上げ剝きの作業が行われていた。入っての玄関正面だ。土壁の下地を含めた状態が露出された。竹木舞の状態が見える。盛りカゴをつくるように竹を重ねて織っていく。ところどころに枝木の力骨がタテに入る。見せるように仕立てた貫も現われた。これも見せよう。
左官仕事は最終は土壁仕事と言われるのが良くわかる。ここは土壁を残そう。

もう一つの現場で下地モルタル、中漆喰の仕事が始まった。定規を埋め込み、そこにめがけて仕上げていく。入口枠廻りが段々の役物の仕立てだ。この枠をつくるのに2日もかかると左官の親方に教えられる。こちらは隣にある蔵のアナロジーだ。水切り、鎧壁も一部仕掛けている。何気ないデイテールが建物の質を決めていく。


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