冬季間にも関わらず、現場の左官屋さんが、工期が迫っていることに見兼ねて漆喰の仕上げに入ってくれた。ザラ板、ラスモルタル、中漆喰、そして仕上げの漆喰と段階を踏んで、壁が仕上がっていく。役物の角が段状になった部分は、一旦、漆喰で角をつくり、角の廻りを削って再び、角に向けて平滑に仕上げていく手間のかかる仕事だ。そして仕上がった状態を見ると、光をやさしく吸い込むような白い塗り壁がわずかな段さに影をおとして無限の白い世界を築き上げていく。これは誰が意匠を決めたというよりは、昔からあった表情でそこに建っている構築物になった気がした。床の洗い出しも左官屋さんが仕上げに入った。
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