黄金の国 ジパング

東方見聞録を書いたマルコポーロは、萱葺きの屋根を金と勘違いして黄金の国ジパングと書いたらしいと教科書をもとに学校の先生はそう教えてくれた。その時はえらく納得して聞いていた。遠い昔のことだが。しかし、それは間違いだったらしい。今の定説は、平泉の金色堂をさしていたらしいし、中国との貿易で、金、砂金を提供していたこともあり、金が豊富に採れる国それらをさしてのことらしい。しかしおそろしいもので幼き頃に聞いた萱葺きイコール黄金の国がずっとインプットされていた。
 民家の萱葺きの最後のカットが終わった。流れるライン、際のカット、しばらく眺めていたくなる。まして真新しい萱葺きは、何物にも勝るその造形力を備えた存在だ。それらが長い時間のうちに自然に帰る。なんと理にかなった工法だ。土壁もそうだ。ただ、その萱葺きの工事費は相当にかかるが。
 萱葺きは日本独自のものではなく、デンマークや、オランダ、ドイツ、英国と世界各地にあり、日塔先生はつぶさに見て廻っているらしい。
 私は特別萱葺きの工法に詳しいわけではなく、雪国用に端部のエッジを雪が切れるようにとお願いした。
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