昭和50年代前半でも、床、壁に断熱材は入っていない、天井に薄い断熱材は入っているくらい。サッシはシングルガラス。断熱に関していえば絶望的に思える。これを何とかしなければならない。
先ずは床、そして天井。これらは簡単にできる。しかし、その断熱抵抗が問題、できるだけ容量の大きいものが良い。床ついては、すでに長い時間の間に床勾配がついている場合が多くレベルを見ながらレベルを直して断熱材を挟んで床材を敷く。天井は現場でブローする。およそ200mmを天井裏に上げる。これで効果は絶大。壁は間取りを変更して外壁を取り壊した部分は壁に断熱材を入れるが、その他は触らない。その場合には、新たな壁の足元に気流止めの断熱材も忘れなく。床下換気口から取り入れた空気は壁を伝って冬には室内に冷気を持ち込む。そこをシャットアウトする。
窓は、断熱、結露は考慮してペアガラスの樹脂サッシを入れる。これが、最小限で最大限の効果を生む方法。
プランの変更で悩むのは、腐朽部の回復の方法と、柱梁のバランスのとり方だ。特に浴室部は曲者だ。湿式のタイル張り等の風呂は土台部それを含めた柱が腐っていることが多い。その為の柱の補強が必要だ。
次に既存間取りから新たな間取りへ変更する場合の柱等の配置だ。得てして、新しい間取りでは柱を取り除いたりすることもある。その柱は通し柱の場合もある。しっかり補強すれば、それも可能となる。私のケースでは、C型の鉄骨合わせ張りと使った。新たな梁を入れる場合も特殊な梁金物でしっかり既存梁に力を渡せることが出来た。
増改築は現場でより早い対応で方向づけをしないと段取りがつかない。新築とは違う能力が試される。
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