大作のゆくえ

もう今は閉鎖されている上山市民会館に打ち合わせの帰りに入ることができた。7,8年の記憶を遡り、どうしても見ておきたいものがあったから。気になる作家の作品があったはずだと確信して。案の定あった。ホールを入っての正面に。 確かに記憶違いではなかった。この建物の建設は昭和45年完成、翌46年開館と資料にはある。壁に埋め込まれた盤には寄贈;上山温泉旅館組合、制作;鈴木鋳造所 企画;清野克巳と書いてある。このアルミ鋳物作品は、昭和45頃彼が手をつけた作品ということになるのだろう。長さ7.7m高さ1、3m 彼の作品の中で最大級の作品ということになる。空間の中で決して強い口調で迫るのではなく、柔らかく在る。
1年半程前から学芸員のいる会議で、うる覚えの記憶では彼の作品があり残して移設する提案はできないですかと言ってみたことがあった。その作品の価値を正当に評価でき、サジェスチョンできるのはこの団体しかないと思えたし、市民会館自体がいずれ壊されることは知っていたから。しかし、会議のメンバーはそこにあるも記憶にない様子だった。しょうがないと、再び彼の軌跡を振り返る企画展をこの秋に行ったのであった。しかし、最近の話では、早々にこの建物の解体が決まったらしい。できれば残してほしい。可能であれば、解体と引き換えに新しく建て替えになる小学校に。これを残せるか、失うかに上山の良識が問われているように思える。ちょっとガンバッテみよう。


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