最上三十三観音はよく知られ、上山観音は下湯の上の湯の上観音であることはよく知られているが、その他、上山の三十三観音について、興味を持つ人はそう多くないだろう。本日の金生の観音さまのお祭りでの、法円寺の住職のはなし「上山だけで三十三観音があるのは珍しいことで、今から280年程前の正念寺の住職の勧めで、各地区の観音さまができるようになったと。ここ金生は260年程前にこの社ができたという。27番目の札所、金澤の観音、ということになるという。地元の墓地がある山の中腹にあるこの観音様は今でこそひっそりとしているが、戦後の国が奨めた地区施設推進の一つ公民館ができるまでは、地元の子供たちは夏休みには、この観音さまの建物の中で勉強をしたのだという。下の10m四方の広場があってそこで地元の運動会もしたとも*聞く。幼き頃には、鉄棒もあって児童公園の木の立札もあったと記憶している。昭和の貧しき時代は、ある施設をうまく利用して潤滑を図っていたのだろう。
今年もこのお祭りの祈願に訪れてくれたのは昔の若妻会の皆さんが中心で、皆さん70をとうに越えたおばあちゃん達だ、100段の階段を登ってやって来た。総勢16名、嫁いできて地元に根をはり、地区を陰から支え、たくましく生きてきた性を見たような気がした。
「ここに近づいてきたか、やっとの思いで登ってきた」とお墓が並ぶ廻りを目に、一人のおばちゃんがシニカルなジョークを飛ばす。
「あっはっは、またまた」こちらも笑えるような、笑えないような。
氏子の誰かがいった。あと10年後、何人の人々登ってきてくれるのだろうと。
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