1つのprojectが現場に入った。現場担当者と協議を重ねる。図面は一つの意図である。意図を深化させなければなならない。その中で勃発したのが、地中内に埋まっていた転石だった。邪魔になる。地盤調査は先に行っていた。しか予想だにしないことだった。嘗て蔵が建っていた場所の地面下に径1m弱の蔵王石が大量に現われたのだ。これは、蔵の柱下に埋め込まれ建物を支えていたものだ。明治中期建造の蔵で。古い時代の建物の地盤に対する配慮は慎重だ。まず、土台下の石に下では、臨時の櫓を建てて地盤を固める。どうずき(どんずき)と呼ばれるやり方だ。これで土台下が締まる。現在の砕石をランマーという転圧機よりはよほど締まるっであろう。ここではまるっと石だった。多くの場合、建物の土台面は廻りの地面より1段高くする。(前記の旧尾形家のように。)ここでは段は上げていないが、地盤を砂利混じりで地耐力もよい。どうやってこれらの大きな石を運んできたのだろうと話題になった。あとはこれをどう生かすかだ。そこで考えたのは、これらの石を、途中カットして、再び、ここか、他の広場の床仕上げに使うことだった。有効利用はできるし、ストーリーができる。そんなことを思い、知り合いの造園やさんに電話した。
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