グサッ グサッ バターン

僕たちの失敗」には続きがあった。関係者に相談してた。解体する蔵の木材を主要な部材だけでも手に入れ再利用する時の為にストックしたい、機械でばらすのはやむ得ないことだし。
 当日、呼ばれていくと、蔵すでに四分の一程解体されていた。通し柱はちぎられていた。中程を差す梁がホゾ差しで柱外側までキッチリと差し込んでした。機械ばらしではきれいに柱をとることができないということだ。周到に準備をして先に梁を柱手前をノコを入れておかないを無理な話だった。やむなく、取れる梁材だけ確保してもらうことだけお願いした。ただ、蔵の土壁の作り方を目にすることはできた。屋根まで土壁がまわっていた。
 でも、解体する様は悲しかった。ひとつの生命体がこんなに引き裂かれて終焉をむかえることが。

文化財建造物修復が専門であった日塔先生が以前いらした時に言ってたこと。「江戸時代の生活思想のほうが、ずっとエコだったはずだよ、寒い時には、必要な時には局所暖房をとり、綿入りの襦袢をきて体を温めた。木材は再起用を常としてた。」と
 いつか時間を短縮し経済性、快適性を追求していく過程で、その思想は完全に置き去られていったのかもしれない。勿論、現在、木材はチップスになり木質系合板に再利用されることは知ってはいるが。

さて、取り寄せられるだろう木材はどうやって生かしていこう。・・・・川俣正には、僕はなれないし。


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